コンクリート診断士 記述問題は

・過去問題等で問題と解答例を何度も読んで理解する

・問題文を見ないで書く

・自分の解答と解答例を見比べ、修正点を確認する

という流れで行うのが効率が良いと思います。

パソコンに打ち込みましたが、試験が近づいてきたら必ず手書く練習をオススメします。

 

私が書いた参考書等を見る前の解答例を示します。

下記は自力で書いた内容の抜粋です。

※内容は修正前のものですので、間違っている部分もあるかもしれません。

この内容を、参考書や有料コンテンツなどで模範解答を確認し、

確認、修正を行いながら自分なりの模範解答に近づけていきました。

下記内容はあくまで参考程度に留めておくことをオススメします。

 

記述問題 2011年 建築 記述

問1 ひびわれの発生原因を3つに分け、それぞれの理由を以下に述べる。

1,7,8のひびわれは水平方向に生じており、打ち込み時に時間を要したか、締固め不足が原因と思われる。

1と7は各階の中間部に位置しており打継部であると考えられる。

8については、中性化によるものも考えられるが、クリア塗装がされており、可能性は低いことから、施工時に生じたひび割れと推察する。

2,3,4のひびわれは屋上部に位置し、ハの字の形状であることから、日射の温度変化による膨張によって生じたひびわれと考えられる。

5については、屋上部ではないもののハの字の形状をしていることから温度変化による膨張の可能性が高いが、乾燥収縮によるひびわれの可能性もある。

ひびわれは柱の間に位置しており、垂直方向に生じており、各階すべてに同様の変状が見られる。

これはコンクリート打設後にコンクリートが乾燥収縮する際、柱に拘束されることによって生じたひびわれであると推察される。

 

問2 今後20年間供用するための対策を以下に述べる。

 1.7.8のひび割れはコールドジョイントにより生じたものであり、竣工後15年経過しているため、

今後ひびわれが進展する可能性は低く、また、ひびわれ幅は0.05mと小さい。

しかし、ひびわれからの劣化因子の侵入を防止するため、表面塗布工法を採用する。

2,3,4,5のひびわれは、温度膨張によるものであり、今後も進行する可能性がある。

また、ひびわれ幅は0.25mm~0.35mmと比較的大きく、温度変化によってひび割れ幅が変動することが想定される。

よって、ひびわれ注入工法、もしくは、充填工法によって補修し、材料はひび割れ幅の変動に追従するエポキシ樹脂等を採用する。

6のひびわれは、乾燥収縮によるものであり、乾燥収縮は1年程度で収束するため、

竣工後15年経過していることからひび割れが進展する可能性は低いと考えられる。

しかし、劣化因子の侵入を防止するための対策が必要である。ひび割れ幅は0.25mmであるため、注入工法を採用し、材料はポリマーセメント系を使用する。

ひびわれの補修跡が目立たないよう、補修部と周囲の色を合わせる。

 

記述問題 2012年 建築 記述

問1 以下に代表的なひびわれを3種類挙げ、発生原因と理由を述べる。

なお、当構造物は温暖な内陸部に位置しており、凍害による変状は考えにくく、

問題文より、地震、地盤沈下による影響やASRによる変状はないことを前提とする。

①中性化による鉄筋に沿ったひびわれ。

表1より、柱のコンクリートは打放しであり、外部からの炭酸ガスや水、酸素等の劣化因子が浸入しやすい。

竣工は1970年であることを考えると、中性化が進行していることが考えられる。

②温度膨張によるひびわれ。

図2より、構造物は南向きに建てられているため、特に屋上部は日射による温度変化の影響を受けやすい。

よって、屋上部またはその近辺は温度変化によるコンクリートの膨張を受け、ハの字のひびわれが生じやすくなる。

③乾燥収縮によるひびわれ。

当構造物の開口部が、両柱の間に位置しているため、乾燥収縮を柱が拘束することによって、弱点である開口部にひびわれが生じる。

 

問2 今後20年間供用するためには、ひびわれを補修し、劣化因子の侵入を防止する予防保全が必要である。

まず、中性化に対しての調査項目は、各階において代表的なコアを採取し、

コンクリートの圧縮強度、弾性係数などの健全性や中性化の進行を確認することである。

また、自然電位法による鉄筋の腐食範囲の確認し、部分的にコンクリートをはつり、腐食状況について確認する。

また、分極抵抗法による鉄筋腐食の進行度合いを把握する。

鉄筋の腐食に対しては、鉄筋の裏側までコンクリートをはつりとり、必要であれば鉄筋の追加、交換を行い、

防錆処理を施した上で、ポリマーセメントモルタル等で断面修復を行う。

また、表面被覆工法によって劣化因子の侵入を防止することも有効である。

ひびわれに対しては、ひびわれの幅、長さ、深さについて調査し、ひびわれからエフロレッセンスや錆汁が出ていないか確認する。

錆汁が出ていれば鉄筋が腐食している可能性があるため、はつりとり内部状況を確認する。

ひびわれの幅が0.2mm以下であれば、表面被覆工法を採用し、それ以上のひびわれであれば、注入工法または充填工法により補修する。

温度膨張によるひびわれは挙動が生じるため、エポキシ樹脂による注入工法、または、シリコンによる充填工法を適用することが望ましい。

 

記述問題 2013年 建築 記述

問1 当構造物は、海岸からの最短距離が20mであり、変状が生じている地下2階の部分は、地下水位面よりも床のレベルが低くなっている。

また、埋立地に建てられており、埋立土は海成粘土およびれきから成っている。

写真2の変状は、排水溝周辺に析出しており、黄褐色であることから、埋立て土の粘土成分が排水溝を通して、建物内部に侵入したものと考えられる。

写真3の変状は、鉄筋が腐食しており、かぶり厚が小さいことが分かる。海水面と地下水面がほぼ同レベルであることから、

この地下水は塩分が含まれている可能性がある。

写真1からも、外部から地下水が浸透していると想定され、この地下水が建物内部に浸透したことにより、

コンクリート内の塩化物イオン濃度が高くなった結果、不動態皮膜が破壊され、酸素と水により腐食が進行したものと考えられる。

鋼材の腐食については、塩害の他、中性化の可能性も否定できない。

 

問2 この建物を今後30年間供用するために必要な調査方法、補修方法および補修後の維持管理計画について述べる。

まず、変状の原因を特定するために、代表的な箇所のコアを採取し、塩化物イオン濃度や中性化試験を実施する。

また、自然電位法により腐食の状況や範囲を把握および分極抵抗法により腐食の進行度を予測する。

また、コアより、コンクリート強度試験や弾性係数試験を行い、健全性を把握するとともに、

リバウンドハンマー法により広範囲においても健全度を把握する。外部からの水分供給されている経路の調査も行う。

調査の結果、塩化物イオン濃度が腐食発生限界を超えており、鋼材が腐食している箇所については、コンクリートをはつり取り、

必要であれば鋼材を追加、交換を行い、防錆処理を施した上で、ポリマーセメントモルタル等により断面修復を行う。

その際、マクロセル腐食対策も行う。シラン系表面含浸工法により塩分の侵入を防止することも有効である。

外部から建物内への水分供給を防ぐために、排水溝や外壁の防水対策を行うことも重要である。

補修後については、塩分濃度の測定を定期的に行い、防水対策が健全であるか確認する。

また、補修した箇所のみならず健全部においてもモニタリングや点検を行う。再劣化していないか定期的に確認し、

再劣化している箇所については、早急に対策を講じ、経過を観察することが肝要である。

 

記述問題 2016年 建築 記述

問1:当構造物は温暖な海岸地帯に立地しているため、凍害による劣化の可能性は低い。

また、筑後15年と比較的築浅であることから経年劣化の可能性も低い。

ひびわれ①は、屋上部に位置し、規則的に鉛直方向に生じている。これは、乾燥収縮の典型的な形状である。

ひびわれ②は、屋上部近辺でハの字型に生じている。建物の妻側は南向きとなっており、日射の影響を受けやすくなっている。

以上より、変状は、日射の温度変化によりコンクリートが膨張して生じたものと推察する。

ひびわれ③は、柱間で鉛直方向に生じている。変状は各階に一様に生じているため、コンクリート打設後の乾燥収縮を両柱が拘束して生じたものと推察する。

ひびわれ④は、開口部から斜め45度に生じている。これも乾燥収縮によるひびわれが、開口部の弱い部分から生じたものと考えられる。

バルコニーの変状は、写真1、2より局部的に生じており、支柱根本部には白い析出物が見られるため、

支柱のアルミニウムとアルカリが反応し、コンクリートが膨張したと推察される。

 

問2:変状に対して当面の対策をとるためには、各々の変状の原因を特定する必要がある。

ひび割れに対しては、代表的な箇所からコアを採取し、中性化試験、塩化物イオン量を実施する。

ひびわれ部において斫り調査を行い、鉄筋腐食の有無や状況を確認する。当面の対策としては、

ひびわれから水や酸素、炭酸ガス、塩分等の劣化因子の浸入を防ぐため、エポキシ樹脂による注入工法、もしくは、シリコン樹脂による充填工法を採用する。

バルコニーの変状に関しては、白い析出物の成分分析を行い、原因の特定を行う。

コンクリートのひびわれは大きく、今後、剥落した場合、第三者被害の恐れがあることから、

支柱根本部のコンクリートをはつり取り、鉄筋が腐食している場合には交換、追加を行い、防錆処理を施した上で、断面修復を行う。

また、アルミニウムとアルカリが反応しないよう対策を行う。

 

問3:今後50年間使用するためには、劣化部の補修を行った上で、予防保全を行うことが必要である。

自然電位法により鉄筋の腐食範囲の把握や分極抵抗法により腐食の可能性を把握する。

塩化物イオン量が腐食発生限界を超えている部分については、コンクリートをはつり取り、

必要であれば鉄筋の交換・追加を行い、防錆処理、マクロセル腐食対策を行った上で断面修復を行う。

 

記述問題 2011年 土木 記述

問1 構造物は建設後30年経っているが、仕上げ材の膨れは、建設後5年と比較的早い時期に生じている。

写真1から仕上げ材の膨れ箇所は局部的に発生しており、写真3から、膨れた箇所の粗骨材は、褐色となっている。

これは、表2の化学成分から、酸化マグネシウムの可能性が高い。

また、壁仕上げは建設後10年目にネット入り合成樹脂エマルションペイントで改修されているが、裏面は打放しであり、雨掛りによる水分供給が多い。

そのため、酸化マグネシウムと水が化学反応をして、水酸化マグネシウムが生成されたことにより、膨張につながったと推察する。

 

問2 表2より、16階の外壁よび塔屋階外壁部の設計かぶり厚さが40mmに対して、中性化深さの最大値は20mmであることから、

ひびわれは中性化が進行によって鉄筋が腐食膨張した影響によるものとは考えづらいことを前提に述べる。

ひびわれAは、屋上付近にㇵの字型に生じている。ひび割れ箇所が生じている箇所は南向きであり、日射の影響を受けやすい。

ひびわれ変状と位置より、日射による温度変化によりコンクリートが膨張したことから生じたものと考えられる。

ひびわれBは、23階上部の水平方向に生じているひびわれのため、コールドジョイントである可能性が高い。

ひびわれCは、逆ㇵの字型に生じており、これはコンクリート打設後に硬化した地下1階部に1階のコンクリートを打設したため、

収縮変形が拘束された影響によるものと推察する。

 

問3:建物を35年間供用するためには、ひびわれ部において、鉄筋が腐食していないか把握する必要がある。

そのために、自然電位法により鋼材の腐食範囲を把握し、分極抵抗法により腐食の進行度を調査する必要がある。

また、はつり調査により鋼材の腐食状況の確認を行う。鉄筋に腐食が見られる場合には、

鉄筋の裏側までコンクリートをはつり取り、必要であれば鋼材の差し替えを行い、防錆処理を施した上で、ポリマーセメントモルタル等により断面修復を行う。

また、ひびわれについては劣化因子の浸入を防ぐために注入工法もしくは表面被覆工法を採用する。

仕上げ材の膨れ箇所については、水分の供給が原因となっている可能性が高いため、打放し部にシラン系の含浸工法を採用する。

また、定期的に点検を行い、再劣化していないか確認し、変状があれば早急に対策を行う。

 

記述問題 2011年 土木 記述

1  当橋梁は積雪寒冷地内陸部に位置することから、冬季には凍結防止剤が散布されていると考えられる。

RC橋脚部張出し先端部は過去に補修が施されており、写真2より、RC橋脚張り出し部には橋面からの漏水が顕著に見られる。

このことから、橋面から供給された塩化物イオンを多量に含んだ水分が補修されたコンクリート部分の隙間に浸透し、

凍結による膨張圧が繰り返し作用したことによって、コンクリートが軟化、剥離したものと推察される。

RC橋脚側面部は、鉄筋が腐食膨張した影響によりコンクリートが剥離している。

図1より、変状箇所の近辺であるBC部では、鉄筋位置における塩化物イオン量は発錆限界を超えているのに対し、

健全部であるA部の鉄筋位置における塩化物イオン量は発生限界を下回っている。

また、BC部では、表面部で塩化物イオン量が多くなっており、内部になるほど少なくなっていることから、

外来塩分による供給と考えられ、凍結防止剤により塩化物イオン量が大きくなったことを示唆している。

変状箇所は塩化物イオンにより鉄筋の不動態皮膜が破壊され、そこに劣化因子の浸入し、鉄筋が腐食した塩害であると考えられる。

 

問2 この橋脚を30年間供用するためには、劣化部を補修することにより機能を回復させ、予防保全を図ることが肝要となる。

RC橋脚張り出し先端部においては、水分の供給経路の調査を行う。

RC橋脚側面部においては、コンクリートの健全性を把握するためにA部とB,C部のコアを用いて、圧縮強度試験を実施する。

また、リバウンドハンマーにより広範囲に強度推定を行うとともに、コンクリートの浮きがないか健全部も含めて調査する。

鉄筋については、自然電位法により腐食範囲を特定し、変状箇所での斫り調査を行い、腐食状況の確認を行う。

次に対策について述べる。橋面や橋梁側面からの塩化物イオンを含んだ水分供給を防ぐため、

橋面防水や排水溝を設け、躯体に影響がないように対策を施す。

上記調査結果により、鉄筋の腐食が認められる箇所については、鉄筋の裏側までコンクリートをはつり取り、

鉄筋に断面欠損が見られる場合には鉄筋を追加し、防錆処理およびマクロセル腐食対策を行った上で、

ポリマーセメントモルタル等で断面修復を行う。

健全部においても、潜在的に変状が進行している可能性があるため、定期的に点検を行い、変状が見られた場合には早急に対策を施す必要がある。

 

記述問題 2012年 土木 記述

1  当橋梁は北陸地方の寒冷な地域に位置しており、冬季には凍結防止剤が散布されている。

写真1から、A部のひびわれは著しく、また、漏水跡から橋面上よりアルカリ分を多く含んだ水分が供給されている。

これらの条件からA部の変状は、ASR、塩害、凍害の可能性が考えられる。

A部で採取した白色析出物から多量のSiO2が含まれていることより、白色析出物はアルカリシリカゲルと考えられ、

また、ひびわれ形状が亀甲状であること、当橋梁はASR対策が行われる以前に竣工されていること、

北陸地方においてASRの被害実績があることなどから、A部の変状はASRの可能性が高いと推察される。

塩化ナトリウムのアルカリ分が供給されることによりASR反応が進行したものと考えられる。

写真1、2を比較すると、A部は橋面上からの漏水が顕著であることに対して、B部は漏水跡が見えず、

アルカリ分を含んだ水分の供給がほとんどない。

ASRは、水分やアルカリ分の供給によって進行するため、B部の変状に比べ、A部の変状が著しくなったと推察される。

 

問2 当橋梁を今後30年間供用するためには、まず変状原因がASRであることを確認し、ASRの進行を防ぐことが基本となる。

まず、変状原因を特定するために、代表的な箇所でコアの採取を行い、JCI-DD2等により残存膨張試験や反応性骨材が使用されているか調査を行う。

また、リバウンドハンマー法により広範囲にコンクリート強度を測定し、橋全体の健全性を確認する。

劣化部については、コンクリートをはつり取り、鉄筋の腐食状況を確認する。

橋面からのアルカリ分を含んだ水分の供給を防ぐため、伸縮装置の非排水化、橋面防水、排水溝の設置などの対策を行う。

劣化部については、コンクリートをはつり取り、鉄筋に断面減少が見られる場合には、鉄筋の差替えや追加を行い、

防錆処理を施した上でポリマーセメントモルタル等で断面修復を行う。

なお、この際、マクロセル腐食も施す。ひびわれ部については亜硝酸リチウムを注入するなどしてアルカリシリカゲルの無害化を図る。

B部の健全部については、定期点検の頻度を増やし、変状が進行する場合には早急に対策を行う必要がある。

 

記述問題 2013年 土木 記述(1)

問1

当構造物は中部地方内陸部に位置し、冬季には凍結防止剤として塩化ナトリウム散布が散布されている。

交通量は多く、供用23年後に鋼繊維補強コンクリートによる上面増厚工が実施され、

供用36年後から現在に至るまで、舗装の部分補修が繰り返し行われている。

写真1より床版下面は錆汁を伴うエフロレッセンスがひびわれより生じている。

ひびわれは亀甲状に生じ、写真を見る限り、幅が大きいものと考えられる。

写真3より、供用23年後に施工された増厚コンクリートと既設コンクリートが一体化されていない。

また、増厚コンクリートは健全とみられるものの、既設コンクリートの劣化が著しい。

以上から、床版が再劣化したのは、上面増厚工法が機能しておらず、疲労が進行したことが原因と考えられる。

また、表1より橋面防水工が施されておらず、既設コンクリートに塩分を含んだ雨水が侵入し、

鋼材が腐食していることも劣化を進行させたものと推察される。これを確認するためには、

代表的な箇所からさらにコアを採取し、強度試験、弾性係数、中性化試験を行う。

また、リバウンドハンマー法により広範囲にコンクリートの強度を調査し、コンクリートの健全性を把握する。

また、自然電位法により鉄筋腐食状況の確認を行う。

 

問2

想定される調査結果として、床版下面のコンクリートは劣化が進行し、健全性が保たれておらず、

また、鉄筋の腐食も進行していることが考えられる。

この橋梁を今後50年間供用するためには、劣化部を除去し、健全な状態に回復させ、床版内に劣化因子が侵入することを防ぐ対策が必要である。

まず、橋面からの塩分を含んだ雨水の侵入を防止するために、アスファルト舗装を切削し、橋面防水工を施す。

その際、増厚コンクリートの状態を確認し、劣化が認められる箇所については断面修復等を行い健全な状態に戻す。

床版下面においては、既設コンクリートの劣化が著しいことから、既設コンクリートをすべてはつりとり、下面増厚工法を採用する。

鋼材に断面欠損があれば、鋼材の追加、交換を行う。

交通規制に関しては、平日は昼夜連続1車線規制、または、交通量の減少する時期を選び2週間程度の連続通行止めが可能であるため、

交通の影響が少ない方法を検討することが望ましい。また、定期的なモニタリングを行い、再劣化があれば早急に対策を行う。

 

記述問題 2013年 土木 記述(2)

問1 本橋梁は、供用後38年が経過しているが、供用後23年には鋼繊維補強コンクリートによる上面増厚工法が実施され、

その後、床版下面に亀甲状のひびわれやエフロレッセンス、舗装面にポットホールが発生し、舗装の部分補修が繰り返し行われている。

写真1より、亀甲状のひびわれやエフロレッセンスが生じているが、錆汁は見られない。

また、表1から床版コンクリートの全塩化物イオン量が1.0kg/m3であるため、凍結防止剤による塩害の可能性は低く、

床版コンクリートに使用した骨材にアルカリシリカ反応は見られない。

表1より、交通量は25000/日と多く、車両が繰り返し載荷されている。

以上のことから、床版の劣化原因は、主に疲労であると考えられる。

写真3より、既設床版には増厚コンクリートが打設されているものの、これらは一体化されていない可能性があり、

双方の隙間に水分が供給され、凍結融解を繰返したことにより、再劣化したと推察される。

これを確認するためには、舗装面および増圧コンクリートをはつり、増厚コンクリートと既設コンクリートの取合い部の状況を確認し、

一体化されているか、水分の供給状況を調査することが必要となる。また、床版上面のひびわれ状況を確認することも重要である。

 

問2 増厚コンクリートと既設コンクリートが一体化されておらず、供用後23年に行った補強が構造的に機能を有していないことが想定される。

今後50年間供用するためには、これらの機能を回復させることが必要である。

また、床版ひびわれ状況より、加速期から劣化期に当たると思われるため、現状に対して更なる対策が必要である。

まず、舗装と増厚コンクリートを斫りとり、増圧コンクリートを既設コンクリートと一体となるように、増圧コンクリートを打設する。

また、橋面からの水分供給を防止するため、増圧コンクリート上に防水シートを設け、舗装を打設する。

床版下面も床版上面と同様に、コンクリート増圧工法または鋼繊維補強工法を施し、補強を行う。

これらの施工については、通行止めが必要となるが、車両の通行に出来る限り支障が生じないよう、

片側交互規制による分割施工、または、交通量の少ない時期を選んで通行止めを行う等の配慮が必要となる。

施工後は、定期的に点検を行い、再劣化している場合には早急に対策を施すことが肝要である。

 

記述問題 2014年 土木

問1.写真1は、主桁側面にシースに沿ったひびわれとエフロレッセンスが生じている。

表1よりシースは金属製シースであり、腐食しやすい。

当橋梁は中部地方内陸部に位置し、冬季には凍結防止剤が散布されていることから、

変状は、橋面または定着部から塩分を含んだ雨水等が浸入し、鋼材が腐食膨張したことが原因と考えられる。

また、グラウトの充填不足も原因となっている可能性も考えられる。

写真2は、主桁の下端のコンクリートが剥離し、鋼材が腐食している。

横桁に漏水跡が見られることから、橋梁端部から塩分を含んだ水分が浸入したことにより、

不動態皮膜が破壊され、鋼材が腐食膨張し、コンクリートが剥離したものとみられる。

上記の推定結果を確認するために、排水経路の確認を行う必要がある。

また、代表的な位置のコアを採取し、中性化および塩化物イオン量について調査を行う。

また、シース内のPC鋼線およびシースの腐食状況およびX線透過法によりグラウトが充填されているか確認を行う。

 

問2.この構造物を50年間供用するためには、健全性の回復および劣化因子の浸入を防止することが重要となる。

主桁については、シース内の鋼材の腐食状況を確認した上で、断面欠損が著しく、耐久性が低下している場合には、外ケーブル工法による補強を検討する。

ひびわれについては、注入工法や充填工法により補修を行う。

塩化物イオン量が腐食発生限界を超えている場合には、脱塩工法等を検討することが必要である。

また、シース内のグラウトが不足している場合には、再充填を行い、水や酸素が浸入することを防ぐ。

また、橋面からの水分浸入を防止するため、橋面防水を行い、定着物については水分が浸入しないよう対策を施す。

横げたに関しては、伸縮装置の非排水化、排水管の設置等により排水経路を見直し、劣化因子の浸入を防ぐ。

鋼材が腐食している箇所は、鉄筋の裏側までコンクリートを斫りとり、必要であれば鋼材の交換、

追加を行い、防錆処理を施した上で、ポリマーセメントモルタル等で断面修復を行う。また、マクロセル腐食防止の対策も行う。

塩化物イオン量を調査し、腐食発生限界を超えている箇所に関しては脱塩工法等を採用する。

補修後は、定期的に点検を行い、変状が生じた場合には早期に補修計画を立てることが重要である。