コンクリート診断士を受験される方は、
過去問や問題集からできなかった問題について
自分なりにまとめておくと良いと思います。
2年間挑戦した私が勉強した復習メモを公開したいと思います。
あくまでも自分用メモなので分かりづらい箇所もあると思います。
コンクリート
・クリープ、乾燥収縮⇒長期に変形を増大させる性質
・コンクリート温度が高い⇒粘性が増す=測圧が小さくなる
・自己収縮は凝結始発以降に起こる
水和収縮+自己乾燥収縮=自己収縮
・低級アルコールアルキレンオキサイド=有機系収縮低減剤
ブリーディング
・ブリーディング量が多い→レイタンスが多くなる
・微粉が多い→保水作用⇒ブリーディングが少なくなる
・気温が低いとブリーディングが多い(凝結に時間がかかるため)
・ブリーディングでセメント分が流れる⇒砂すじ、細骨材が露出
・砂すじ…過度な締固め、ブリーディング、打込み速度が速い
・型枠継ぎ目の変状⇒ブリーディングの多いコンクリート使用、角橋に締固めを行う 等
ひびわれ
・内部拘束⇒表面上のひびわれ
・温度ひびわれ⇒2~4日でピークに達する
・自己収縮によるひびわれが生じやすいコンクリート⇒高強度コンクリート
※水セメント比が小さい 水分の量が少ないコンクリート
・乾燥収縮のひびわれは収束に1年以上かかる
・日射、気温の変化に伴う温度、温度差によるひびわれ
収縮の場合⇒逆ハの字 下層階に生じる(基礎に拘束される)
膨張の場合⇒ハの字 上層階に生じる
・乾燥収縮 開口部から斜め45°のひびわれ
⇒柱・梁による拘束を受ける外壁の乾燥による収縮
・マスコンに拘束されたひびわれ⇒水和熱、外部拘束
・ひび割れ幅の経時変化の調査⇒コンタクトゲージ法
ひびわれ補修
・漏水があれば、注入工法または充填工法
・湿潤状態⇒アクリル樹脂OK
・表面塗布工法
⇒0.2mm以下の微細ひびわれの上に
塗膜弾性防水材、撥水材、ポリマーセメント系、セメント系材料を使用。
豆板
・軽度の豆板でも劣化因子は浸入しやすくなる
水和熱
・セメントの水和熱⇒マスコンクリート
※屋上のスラブ厚は薄い⇒セメントの水和熱は発生しづらい
中性化
・中性化速度 50~70%で最も大きくなる
・温度が高くなるほど大きくなる
・フェノールフタレイン溶液
・95%エタノール90ml、フェノールフタレイン溶液粉末1g +水を加えて100mlとする
⇒測定面乾燥 95%エタノール 90mL→75mL程度にして水を増すことができる
・鮮明な赤紫色の部分までを中性化深さとする
・アルカリ含有量(R2O量)多い:中性化速度大きい
※ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが多い場合は、細孔溶液が高アルカリ性を維持するため、
水酸化カルシウムの溶解がより進み、中性化の進行がより速くなる。
・フライアッシュは中性化速度大きい(ポゾラン反応でCa(OH)2を消費するため)
・コアをドライヤーで乾燥させてOK
・中性化速度係数 ex 室内/室外=√0.08/0.04=√2
・コンクリート 乾燥状態⇒CO2が侵入しやすい。
ただし、細孔溶液が少なくなり、炭酸化反応は起きにくくなる
湿潤状態⇒CO2の侵入量が少なくなる。⇒中程度の湿度で中性化の進行はMAX
コア
・コア直径⇒6ヶ所
・コア高さ⇒4ヶ所を0.1mmまで測定:最大と最小値の平均値を平均高さとする
・h/d 1.90を下回るときは補正が必要
・コア供試体の直径 粗骨材の最大寸法の3倍以上
酸化鉄
・水酸化鉄 Fe(OH)2 白
・酸化鉄(Ⅱ)FeO 黒
・四酸化鉄 Fe3 黒
・FE3O4 黒
・Fe2O3 褐色
・FeOOH 褐色
疲労
・疲労の場合 床版下面 Xの形状のひびわれ
・たわみの場合 床版下面 Yの形状のひびわれ 床版上面 壁に沿う形状のひびわれ
・列車荷重 スパンが小さいほど影響度は大きくなる(繰り返し荷重が多いため)
・載荷速度が小さいほど、疲労強度は小さくなる(弱くなる)
・ひびわれが生じた床版:剛性低下⇒固有振動数が減少⇒周期の時間間隔が長くなる
・大たわみ⇒振動数、加速度ともに小さくなる
・振動、たわみの調査⇒レーザードップラー法
ASR
・細孔溶液中のOH-イオン濃度が高いほど、コンクリートの膨張量が大きくなる。
・試験
- 反応性鉱物の有無 ―偏光顕微鏡観察、SEM、XRD(X線回折試験)
- 骨材の反応性 ―化学法、モルタルバー法
- 膨張量 ―JCI-DD2法、デンマーク法、カナダ法
- アルカリシリカゲルの判定―偏光顕微鏡、SEM、酢酸ウラニル蛍光法、化学成分分析(酢酸ウラニル蛍光法は簡便)
・膨張量
JCI-DD2法 :湿度95% 40℃ 6ヶ月
デンマーク法 :NaCl溶液50℃ 3ヶ月
カナダ法 :NaOH溶液80℃ 28日
※コンタクトゲージ法で変化を観察するのも◎
・超音波パルス速度(超音波法)―ASR劣化深さを測定
・ASR抑制対策
アルカリ総量の抑制 3.0kg/m3以下
混合セメントB種の使用 (コンクリート中のOH-を抑えることができる)
無害骨材(区分A)の使用
・アルカリ総量(:Na+ K+)調査
吸光光度計、ICP発光分析装置
・反応性鉱物
トリディマイト、クリストバライト、微昌質石英、火山ガラス
これらは火山岩、安山岩、堆積岩、チャートに含まれる
・フライアッシュ
ポゾラン反応⇒ASRには有効、中性化には不利。
低Ca/Si比となるC-S-Hを形成⇒アルカリイオンが吸着しやすくなる
Ca(OH)2が消費されることでOH-濃度が低くなる
・特定の地域のみに限定されない
含浸材
・シラン系含浸材
ASRに有効
CO2が浸入する
表面改質(アルキル基を持つ)
浸透性吸水防止材
施工には乾燥状態が必要
※コンクリートが濡れている場合、表面含水率が高い場合は、含浸性は期待できない
※シラン系はコンクリート表面が乾燥状態になる⇒炭酸ガスが侵入しやすくなる
⇒中性化が進行する
・亜硝酸リチウム含浸材
亜硝酸イオン⇒鉄筋の不動態化
リチウムイオン⇒ASG無害化(適用に限界あり⇒膨張量の大きいASRには不向き)
・けい酸塩系表面含浸工法
中性化、塩害、スケーリング等の抑止
耐久性向上、アルカリ付与(中性化への抵抗性)
コンクリート表層部に含浸して、組織を改質し、炭酸ガスや水分の浸透を抑制
ASRは進展させるのでNG
けい素と水酸化カルシウム⇒C-S-Hを生成
固化型:けい酸リチウム ※乾燥状態が必要
・反応型:けい酸ナトリウム、けい酸カリウム
・亜硝酸カルシウム
⇒防錆材:亜硝酸イオンが破壊された不働態皮膜を再生する効果を有する
漏水対策
・ポリマーセメントペーストの表面被覆では漏水防止効果は期待できない
凍害
・気泡間隔係数が小さいほど耐凍害性が高い(良質)
※200~250μm以下で凍結融解抵抗性が確保される
・水が少ない方が良い
・細孔量=凍結融解抵抗性の推定
・相対動弾性係数 80%以上 耐凍害性を有する
・細孔径分布、細孔量⇒水銀圧入法(水銀圧入式ポロシメーター)
・気泡間隔係数⇒リニアトラバース試験方法、修正ポイントカウント法
・径の大きい細孔中の水から凍結
・凍結融解環境下
NaCl供給⇒水の凝固点降下⇒未凍結水量増加⇒浸透圧の増加
・NaCl供給⇒pHの上昇⇒アルカリシリカ反応が促進される
火害
・熱分解
水酸化カルシウム Ca(OH)2 500~580℃
炭酸カルシウム CaCO3 825℃
・たわみが生じている⇒構造的にNG
・受熱温度指標
・目視
・XRD(X線回折)…Ca(OH)2の有無を調査
・示差熱重量分析…結晶型の変化
・セメントペースト
⇒100℃までは膨張するが、水和物中の結晶水が脱水するため、収縮に転ずる
(結晶水が分離、消失)
・石英質 600℃ 結晶形態の変化⇒急激な膨張
・600℃超⇒C-S-Hが分解
・UVスペクトル:コンクリート中の化学混和材のうち、リグニン系の有機系化合物の熱による変化を分光高度計でUVスペクトル分析して受熱温度を推定する方法。
化学混和剤 UV化学
検量線が作成できない場合はCOD(化学的酸素要求量)により有機物を定量
・500℃⇒冷却後、鉄筋強度はほぼ回復
・300℃以下⇒コンクリートの残存強度は70%以上
摩耗
・アブレイジョン摩耗 すり磨き–水平方向
・エロージョン摩耗 突き砕き
・型取りゲージは、摩耗による凹凸の測定に有効
・キャビテーション現象が起こる限界流速⇒開水路で7.5m/s程度
X線写真
・内部の鋼材分布当を調べる
・400mmが適用限界 ※空洞の把握には不向き
電磁誘導法
・鉄筋径を測れる
・電圧が強い⇒鉄筋が近接している
・キーワード:交流電流、起電力、ファラデー
打音法
・健全部は振幅が小さい
電磁波レーダー法
・比誘電率が小さい=かぶりが大きく出る
ドリル法
・3点の平均値を用いる(覚え方:ドリルが3つ)
塩害
塩化物イオン量
・可溶性塩化物イオン 50℃で30分
・全塩化物イオン 煮沸pH3(7)
吸光光度法、硝酸銀滴定法 ⇒pH7 炭酸カルシウム使用
電位差滴定法、イオンクロマトグラフィー法⇒pH3 試料に硝酸使用
・塩化物イオン濃度測定⇒同一試料について2回行う
・塩化物イオン測定
簡易法⇒硝酸銀溶液噴霧法(可溶性塩化物イオンのみ)
精密法⇒塩化銀沈殿法
・塩化物イオン測定法
重量法 – 塩化銀沈殿法
容積法 – モール法
吸光光度法 – クロム酸銀法
電気化学的法 – 電位差滴定法:N/200硝酸銀溶液を使用
※ろ液の抽出⇒ろ液を蒸留水で定容にする
電気防食
・不活性領域まで電位を下げる⇒カソードを停止(下げすぎは、水素脆化のためNG)
・夏期の方が、電位が卑(―)になる=復極量が確保しづらい
・湿潤状態の方が、復極量が小さい O2確保に時間がかかるため
・鉄筋から電子e-が陽極材に向かって流れる。電位を下げる。カソード防食。
・断面修復⇒比抵抗が小さい材料を選定する。コンクリートと同程度
・コンクリート中の鉄筋を陰極として、電位を強制的に下げ、鉄筋表面の電位差を解消する=鉄筋腐食の停止
マクロセル腐食
・補修部 塩化物イオン濃度高い=電位低い⇒鉄筋で酸化反応(アノード)が始まる
※点検間隔を短くする、強化する
・塩化物イオン濃度低い(電位高い)=カソード
塩化物イオン濃度高い(電位低い)=アノード
・界面の既存コンクリート部にも変状が現れる。
カソード反応
・H2O+1/2O2+2e-⇒2OH- カソード反応は酸素と水が必須
Ca(OH)2 :水酸化カルシウム
・溶解しやすい(低温になるほど溶解しやすい)
・耐硫酸性が低い
・Ca(OH)2を生成しない⇒アルミナセメント
・Ca(OH)2が少ない ⇒混合セメント
(高炉スラグ微粉末、シリカフューム、フライアッシュ)
・アルカリイオン+炭酸イオン→炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を生成
⇒炭酸カルシウムの生成反応が優先的に進行
⇒アルカリ量が多くなる=中性化の進行は速くなる
・溶解度 Na+,K+<Ca(OH)2
・溶解順序 Ca(OH)2⇒C-S-H⇒シリカゲル
鉄筋・配筋
・帯筋=せん断補強筋 帯筋が多いとせん断に強くなる=曲げ破壊先行
・せん断補強筋は曲げ剛性、たわみへの効果は期待されない
・破断の有無を検出⇒漏洩磁束法
・鋼材腐食速度:分極抵抗の逆数が比例関係にある
・四電極法⇒鉄筋の腐食のしやすさを判断する方法
・上端筋が設計位置より下がっていれば、たわみは増加する
防錆
・亜硝酸系防錆剤=アノード型防錆剤(アノード反応防止)カルシウム系、リチウム系
ポリマーセメントモルタル
・弾性係数が小さい
・圧縮強度は効果なし、増大しない
・熱膨張、曲げ強度、引張強度、電気抵抗性、付着性 向上
・透水係数小さくなる(向上)
・中性化速度係数小さくなる(向上)
・コストが高い
・ポリマーセメント比 一般的に5~30%
化学的寝食
・下水道 好気性細菌による硫酸による劣化
・硫酸塩(嫌気性細菌)⇒硫化水素(好気性細菌)⇒硫酸
硫酸+Ca(OH)2⇒硫酸カルシウム(二水せっこう)生成…コンクリート劣化
・硫酸による劣化
・劣化部除去⇒ポリマーセメントモルタルで断面修復⇒表面被覆工
・硫酸に対する表面被覆工
有機系樹脂⇒エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂
※シラン系はNGコンクリート表面に被覆を形成しないため
※けい酸塩系もNG
補強
・引張応力を受ける部分⇒鋼板、炭素繊維シート(エポキシ、アクリル樹脂で接着)
・アラミド繊維:温度が上がると収縮、ガラス繊維:温度が上がると膨張
・ガラス繊維 耐アルカリ性が低い
・合成樹脂(エマルション型)
ポリマーセメントモルタルとコンクリートの母材地の接着性を高める
・有機系短繊維⇒施工時のひびわれの抑制、だれ防止等
・(鋼繊維補強コンクリートによる)上面増厚工法⇒主に押し抜きせん断体力の向上を目的
光沢保持率(耐久年数)
・ふっ素樹脂>シリコーン樹脂>ポリウレタン樹脂>アクリル樹脂
高流動コンクリート
・単位粉末体が大きいため、高性能AE減水剤を使用
・プラスティック収縮ひびわれ(粘性高)
・水和熱による温度ひびわれ(セメント大)
・自己収縮ひびわれ
コンクリート内の空隙調査
・衝撃弾性波法
・CCDカメラ
・X線透過法
年代問題
1990年代
高炉スラグ⇒コンクリート用高炉スラグ微粉末の使用
1993年 単位水量の上限(単位水量の目標値の上限の推定)1993年
1982年
・JIS規定 AE剤、減水剤の品質基準規定
1950年台
・AE剤
1970年台
・空気量4%
計算問題
・補強
補強後 P1、補強前 P2 全体 P=P1+P2
一体化されているためひずみは同じ ε=P1/E1A1=P2/E2A2
・標準偏差
標準偏差10、かぶり15mm 15mm/10=1.5(正規偏差)
衝撃弾性波
- 部材厚さ
- 内部欠陥
- 背面空洞の有無
- 欠陥までの距離
※ひびわれ幅は計測不可
コンクリートの土砂化
・電磁波レーダー
コンクリートの比誘電率
・乾燥すると大きくなる(抵抗と同じ)
タウマサイト
硫酸塩劣化の一つ。低温かつ石灰石骨材を使用したコンクリート構造物に発生する硫酸塩による劣化現象
条件
・硫酸塩、硫化物
・水の存在
・炭酸塩の存在
・低温
・Siの存在
DEF
・エトリンガイト
配合推定
・セメント協会法
600℃における強熱減量
試料を塩酸で処理
酸化カルシウム量からセメント量を計算
・フライアッシュセメントは、フライアッシュ量が不明なので、単位セメント量が推定できない
表面被覆工法
・エチレン酢酸ビニル系エマルションは中塗り材として用いられる
・温度応力低減させるには表面被覆工
応力問題
・σ=P/A+My/I
自然電位法
・入力抵抗が100MΩ以上と大きく、分解能が小さい電位差計が◎
XRD(粉末X線回折装置)
・水和生成物の結晶構造が判定できる
・石英、長石、カルサイト 分析はOK。アルカリシリカゲルはNG。
高炉セメントB種
・塩化物イオンの浸透が少なくなる
その他
増粘剤⇒断面修復材の保水性の確保、だれ防止
硫化鉄⇒エトリンガイト、含鉄ブルーサイト⇒コーリンガイトを生成
⇒コンクリートに膨張、ひびわれ、ポップアウトを生じる
リバウンドハンマー:反発度法
・0~40℃の範囲
・25~50mmの間隔を持った9点
以上になります。
こんな感じでまとめておくと良いと思います。