今回はアルカリシリカ反応、アルカリ骨材反応についてお話したいと思います。

アルカリシリカ反応という言葉は、土木、建築業界に携わっていれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

このアルカリシリカ反応はあらゆる試験に頻出されますので、

しっかり押さえておかないと僕のように試験に落ちます。

一級土木施工管理技士で一度落ちました。しっかり学んで試験合格を目指したいですね。

 

アルカリシリカ反応のひびわれってどんな形状?

アルカリシリカ反応は下の写真のようなものですね。

こちらは亀甲状のひびわれ。拘束の少ないマスコンクリートや無筋構造物に生じる形ですね。

アルカリシリカ反応

こちらは軸方向のひびわれ。プレストレスで拘束されたコンクリート部材や軸方向鉄筋量の多いコンクリート部材に生じる形状です。

 

一言で言うと、拘束がなければ亀甲状のひびわれ、拘束があれば軸方向のひびわれであり、

拘束がなければ自由に広がるひびわれ、拘束があれば拘束に沿ったひびわれというイメージになります。

 なんとも気持ち悪い感じのひびわれですが、実は亀甲状のひびわれも軸方向のひびわれも表面上のひびわれにとどまることが多いんですね。

 

「影響少ないんだったら放っておけばいいじゃん。」 って話なんですが、

2003年にアルカリシリカ反応による鉄筋破断問題が顕在化していたりします。  

基本的には表面上のひびわれにとどまり、貫通することは少ないので、直接的に構造耐力への影響は少ないんですが、

ひびわれから水や酸素入れば鉄筋も腐食する可能性が大きいので早めの対策が必要となります。  

アルカリシリカ反応のメカニズムを理解する

アルカリシリカ反応は、どのような反応なのでしょうか。

それは、「アルカリと反応性シリカ質鉱物との化学反応」と言われています。

この言葉だけ聞いても、

って感じだと思いますので、頑張って説明してみますね。

 

 コンクリートは、水とセメントと骨材(粗骨材と細骨材)からできています。

セメント中には、アルカリ分であるナトリウムやカリウムが含まれていて(主に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム)、

これらが水に溶けていくと、 水酸化ナトリウム水酸化カリウムとなります。

水酸化ナトリウムや水酸化カリウムはめちゃ強いアルカリ性です。なので、強アルカリ性の水溶液になるんですね。  

どのくらい強いかっていうとPH=13~14のアルカリ最強クラスです。

 

画像引用:https://www.live-science.com/honkan/basic/chishiki02.html

 

アルカリシリカの反応性鉱物が骨材に含まれている場合、上の強アルカリ性を示す水溶液と反応して下の写真のようなアルカリシリカゲルを生成します。

アルカリシリカゲル

この骨材の周りにある白っぽいやつですね。

こいつが水を吸うと骨材がドーンと異常に膨張します。

 

膨張するとコンクリートにひびわれが発生します。

この一連の反応をアルカリシリカ反応、略してASRと呼ぶんですね。  

 

ちなみに骨材に含まれるアルカリシリカの反応性鉱物は、クリストバライト、トリディマイト、微昌質、隠微昌質石英、火山ガラスなどがあります。

岩の種類は、安山岩、流紋岩、チャートなどがありますね。

下の図はASRによる構造物の劣化が報告されている地域になります。

これを見ると反応性骨材の分布は地質図によっておおよその把握ができるんです。

でも、骨材自体は長距離運搬ができるので、反応骨材の算出地域から離れた地域でもアルカリシリカ反応は生じます。

言ってしまえば、全国どこでもアルカリシリカ反応は起こりえるってことです。

あなたの街にもアルカリシリカ反応を有する構造物が潜んでいるかもしれません。

アルカリシリカ反応による構造物の劣化が報告されている地域

 

ここで簡単にアルカリシリカ反応のメカニズムをまとめてみますね。

アルカリシリカ反応のメカニズム

1.  セメント中のナトリウムNa、カリウムKが毛細管空隙中の水に溶ける

2. NaOH(水酸化ナトリウム)、KOH(水酸化カリウム)となる

3. NaOH、KOHが不安定で結晶性の悪い反応性骨材であるシリカ鉱物を溶解

4. 溶解したシリカ鉱物がコンクリート中の水酸化カルシウムCa(OH)2と反応

5. 4.によりアルカリシリカゲル(ASG)を生成

6. 吸水性の高いアルカリシリカゲル(ASG)が吸水

7. 吸水により骨材が膨張=コンクリートが膨張

8. コンクリートがひびわれる

もっと簡単にまとめると

第一ステップ⇒セメント中のナトリウム、カリウムがシリカ質鉱物と反応し、骨材表面にASGを生成する

第二ステップ⇒ASGが吸水し、コンクリート表面にひび割れを生じる

ってことです。

 

アルカリシリカゲル(ASG)について考えてみる

ここでアルカリシリカゲルの特徴についても書いておきます。

アルカリシリカゲルアルカリシリカ反応の元凶ともいえる生成物です。

アルカリシリカゲルは、セメントに含有されるカリウム、ナトリウムのアルカリによりシリカ質骨材の表面を溶かし、

水酸化カルシウムの影響で生成されるものです。

 

アルカリシリカゲルの特徴としては、

高粘性だが流動性がある

アルカリ(Na,K)の含有量が多いほど流動性が高くなる

の2つです。

 

水を得た魚が泳ぎまくるように、アルカリを得たアルカリシリカゲルは動きまくるってことですね。

 

反応性骨材粒子にアルカリシリカゲルが作られると、それが骨材周囲のセメントペーストより水を吸収し、反応性骨材粒子が膨張します。

反応性骨材粒子の膨張によってコンクリート内の内部応力が発生し、骨材粒子内部にひび割れが発生していきます。

それだけではなく、それらの周囲のセメントペーストも破壊していきます。

ちなみに、アルカリシリカゲルの吸水膨張を防ぐ役割をするのはリチウムイオンですね。

 

アルカリシリカ反応に必要な3つのもの

アルカリシリカ反応を起こすためには3つのものが必要になります。

 

1つ目は反応性骨材。反応の元です。

基本的にはアルカリシリカ反応の膨張量は反応性骨材の量とともに増えます。

でもある一定以上の反応鉱物が存在すると膨張量が減少するんですね。

この反応性が最も高まる時の反応性骨材の割合をペシマム量と呼びます。

反応性骨材の混合率が数~数10%で最も大きな膨張を示す現象をペシマム現象って言います。

ペシマム現象はオパール、クリストバライト、トリディマイトといった高反応性のシリカ鉱物を含む反応性骨材で見られます。

 

2つ目は十分な水酸化アルカリ。コンクリート中のアルカリ、セメント中に含まれるナトリウムやカリウムです。

アルカリシリカ反応とばれるくらいですから、アルカリがなければ反応しません。

酸化ナトリウムNaOHや酸化カリウムK2Oがアルカリシリカ反応の大元となります。

セメント量(アルカリ量)が多いほど、アルカリシリカ反応を助長します。

 

3つ目は水です。

説明してきたようにアルカリシリカ反応はアルカリシリカゲルが吸水し、膨張する反応です。

膨張するための水がなければ膨張しません。

なので水の供給がなければ、屋内では反応が起きません。

 

反応性骨材と水酸化アルカリと水 の3つのものがそろった時にアルカリシリカ反応が起こります。

アルカリシリカ反応は「弾性係数が極端に下がる」ってことは押さえておきたい

では、アルカリシリカ反応が起こるとどのようなデメリットが生じるのでしょうか?

アルカリシリカゲルが吸水膨張して骨材が膨張して骨材粒子内部にひび割れが起こると、コンクリートの弾性係数の低下が顕著に起こります。

圧縮強度はそれほど低下しません。

 

下の図が、膨張量と圧縮強度と弾性係数の関係図です。

膨張量が1000μm程度のところを見ると

圧縮強度の低下はほぼ見られないものの弾性係数は極端に下がっていることが分かると思います。

 

つまり、アルカリシリカ反応による圧縮強度の低下は一般的な膨張量であればそれほど大きくなく、弾性係数の低下は著しく下がると言えます。

 

ちなみに圧縮強度に限っていえば、骨材の膨張量が0.2%程度までは強度低下が大きくなります。

しかし、膨張率が0.2%を超えると強度の低下はほぼ横ばいになります。

これは、膨張量が0.2%程度までは骨材膨張に伴う微細なひびわれによって強度が低下するのに対し、

0.2%を超えると流動性を持つアルカリシリカゲルが微細ひびわれを充填するからと言われています。

 

アルカリシリカ反応についてご説明させていただきました。

しっかり押さえて試験に臨みたいですね!

 

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