菜食主義者と聞くと、野菜や豆などの植物由来のものを食べる人のイメージがあります。

最近では海外ではそのようなひとが増えているようです。

日本でも、スーパーや街を歩いていると菜食主義者向けの商品やお店をみかけることもあります。

いったい、菜食主義者とはどんな人のことをいうのでしょう?野菜や豆ばかりだと栄養面は偏らないのでしょうか?

この記事ではそのメリットやデメリット、栄養面で注意することなどをまとめました。

これから食事を見直そうとされてる方、菜食主義に興味がある方はこの記事を参考にしてみてくださいね。

菜食主義とは?

菜食主義とは、ベジタリアンやヴィーガンと言われることもあります。

ベジタリアンもヴィーガンも似ているようですが内容は若干異なります。

ベジタリアン・・・植物性食品を食べる人。いろんなタイプがあり、中には特定の動物性の食品を食べることは許容しているタイプもある。

ヴィーガン ・・・完全菜食主義で、植物性食品のみを食べる人。

ベジタリアンよりヴィーガンのほうが徹底した菜食主義といったイメージです。

ヴィーガン向けの加工食品は、食品に使われる原料もすべて植物性のものです。

ヴィーガンは、チキンエキス、出汁などのちょっとした動物由来のエキスも含むとNG。なかなか厳しいですね。

さらには、ヴィーガンの中には食べ物だけでなく、身の回りのものまで動物由来のものは使いたくないといったさらに徹底する方もいるようです。

動物の命を大切にされるヴィーガンですが、ヴィーガン向けの加工食品も近年は増えてきています。

ベジタリアンには種類がある

ベジタリアンは、その考え方の違いから食べられる食品の範囲が異なります。

代表的なものを見てみましょう。

下記に書いてある食品はそのタイプのベジタリアンが食べてOKとする食品です。

・ラクトベジタリアン   →植物性食品+乳製品

・ラクトオボベジタリアン →植物性食品+乳製品+たまご

・ペスコベジタリアン   →植物性食品+乳製品+たまご+魚

など。

いろんな種類の菜食主義者がいます。

それぞれの体質(アレルギーなど)、健康のため、環境のため、宗教によるものなど菜食主義者になる背景にはいろんな事情や理由があります。

五大栄養素について詳しく知りましょう!

菜食主義者の栄養面について触れる前に、まずは栄養素の基本的な知識を知りましょう。

栄養素の働きを知ることで、日常の食事の考え方や摂り方も変わるかもしれません。

まず、人はなぜ食べるのでしょう。食べることで食べたものからどういう恩恵を受けているのでしょうか。

最も大事なのは、食べた物からエネルギーが生まれ、私たちは自分の体を動かすことができます。

食べたものが体を回り、代謝され、必要な場所で使われたり合成されたりして私たちの体が作られ動かすことができます。

これが生命活動を維持するのに必要不可欠です。

医療現場では、食べられなけば、チューブを介して栄養素を血管に入れたりします。

外から栄養素を取り込まなければ、人は生きていけないからです。

偏った食生活を続けていると、健康な体を維持するのに必要な栄養素が足りなかったり、一定の栄養素が過剰になったりして、欠乏症や過剰症がおこることがあります。

さらに、生活習慣病になりやすくなったりなど、ほかの体の不具合につながるもあります。

食事は私たちが体の外から中へ栄養素を取り入れる唯一の手段です。

バランスのよい食事と健康的な食生活を意識することはとても大切だといえます。

ここでまず、栄養の基本である、五大栄養素について知りましょう。

五大栄養素とは「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」のことです。

聞いたことある名前ばかりだと思いますが、これらが私たちの体の中でどんな働きをしているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

●炭水化物

炭水化物は、私たちの体を動かすエネルギー源になります。

体内で代謝されると、1gあたり4kcalのエネルギーになります。

炭水化物は、さらに「糖質」「食物繊維」のふたつに分けられます。

・「糖質」

脳のエネルギー源は糖です。脳だけでなく、筋肉も臓器も基本的には糖をエネルギー源にして動きます。

食べて吸収された糖質は血糖を維持するのに使われたり、肝臓や筋肉などに運ばれ、グリコーゲンという形になって貯蓄されていきます。

いざ必要となったときに使えるように貯蓄しているのです。

しかし、食べた糖が多すぎるとグリコーゲンの他に、脂肪にも合成され、体に脂肪がついて肥満になりやすくなります。

また、糖のメリットは即効性があることです。

多くの方は、試験勉強のときに頭の疲れを取るために、チョコレートを食べたり甘いものを食べた経験がある人もいると思いますが、

それは理にかなっていて、吸収された糖(とくにグルコース)には即効性が期待できます。脳は特定の糖しかエネルギー源にできません。

食べたチョコレートは消化酵素によって分解され、血管に運ばれ、特効薬のように疲れた脳のエネルギー補給ができます。

・「食物繊維」

人の消化酵素では消化しにくい栄養素です。

食物繊維は五大栄養素に加え、第六の栄養素ともいわれ、6番目に分類分けされることもあります。

食物繊維は人の消化酵素にはほとんど消化されずに腸に運ばれ、腸内の善玉菌の餌になったり、便の量を増やして便通をよくしたり、腸内環境の改善が期待できる大事な栄養素です。

「腸活」という言葉を最近耳にしますが、健康のために腸内環境をよくする食事や運動を取り入れる活動のことをいいます。

この腸活でも食物繊維を食べることは重要な要素の一つです。

便通がよくなることは、体の老廃物を体外に出せ、デトックス効果が期待できます。食物繊維にもいろんな種類があるんです。

水溶性のものや不溶性のものなど、それぞれでいろんな名前の食物繊維があり、中にはその食物繊維のもつ機能性から機能性食品として認められたり、

健康志向の高い専門家から注目を集める食物繊維も多くあります。

これら炭水化物は、米や小麦(パンやパスタなど)などの穀物由来のものや芋類に多く含まれており、食物繊維は、野菜やきのこ類などに多く含まれています。

●たんぱく質

タンパク質は人の体の約20%を構成しており、筋肉や内臓、血液、皮膚などの体の組織を作るのに必要不可欠な栄養素です。

体内で代謝されると、1gあたり4kcalのエネルギーになります。

たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類ありますが、そのうちの9種類は体内では作れません。

この9種類を必須アミノ酸と呼びます。必須アミノ酸は、体内で作れないので食べ物からしか補えません。

また、この9種類の必須アミノ酸のうち、体の中でひとつでも不足しているものがあると、たんぱく質としての栄養面での価値が下がってしまうと言われています。

このバランスは「アミノ酸スコア」という形で100点満点で評価されますが、アミノ酸スコアが100に近いよい数値の食品は「良質なたんぱく質」を含んだ食品と言われます。

たまご、魚、肉、大豆、牛乳などが良質なたんぱく質を含んだ食品です。

これらのアミノ酸が不足すると、体力の低下、肌荒れ、抜け毛、貧血などの症状がでることがあります。

ただし、良質なたんぱく質を含む食品のほとんどが動物性由来ものもです。

菜食主義者は大豆などのたんぱく質を積極的に摂る必要があります。

これに対して、食事の制限のない菜食主義でない人は、動物性食品の食べ過ぎにも注意が必要です。

動物性たんぱく質をふくむ豚肉や牛肉、鶏肉などには、コレステロールや脂質を多く含む食品が多いので、

それらが肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があるからです。

とくにバラ肉はたんぱく質より脂質の方が多く含まれます。

私はバラ肉にハマってしまった時期があり、そのときはかなり体重が増えてしまいました笑

バラ肉を食べるときは一回の量を少なくして、ほかの食品でかさまししたりするなど栄養素を補うように考えた方がいいでしょう。

食品に含まれるたんぱく質量だけでみると、1日50-60gの量が食べられるように毎日の食事を心がけましょう。

植物由来の食品に含まれる100gあたりのたんぱく質量の目安は下記のとおりです。

・大豆     ・・・33.8g

・もめん豆腐  ・・・6.6g

・枝豆     ・・・7g

・アスパラガス ・・・6g

・ブロッコリー ・・・3g

・チアシード  ・・・1.7g

加工食品は加工の過程でろ過されたり除去されたりする中で、たんぱく質が減ってしまうことがありますので、

パッケージに記載されている栄養成分表の「たんぱく質」量を参考にしながら食材を選ぶといいでしょう。

ほとんどの野菜にはたんぱく質がほとんど含まれませんがアスパラガスやブロッコリー、枝豆には比較的多くのたんぱく質が入っています。

1日50gのたんぱく質を摂るにはかなり意識して食材を選ばないと足りないことが予想されます。

 

●脂質

脂質もエネルギー源のひとつになります。体内で代謝されると1gあたり9kcalのエネルギーになります。

また、細胞膜や臓器の構成成分になったり、肌の健康を保つのにも大事な働きをします。

脂質は体に悪いイメージが先行しがちですが、私たちの体に必要不可欠な栄養素です。

摂りすぎず、適正な量を守り、摂りいれているのであれば健康的な害はそこまで気にしなくていいでしょう。

逆に、まったく脂質や栄養バランスを気にせず、食べすぎると脂質は脂肪として体に蓄えられ、肥満の原因になるので注意が必要です。

また、血中にある悪玉菌の数も増えやすくなります。

これらは生活習慣病や循環器系の病気など、あらゆる病気を引き起こしやすくなるリスクとなることを知っておいてください。

ここで、脂質の中でも機能性が注目される構造をもつものがあります。

とくに有名なのが、魚の脂質に含まれるDHAやEPA、植物性でいうと、オリーブ油に含まれるオレイン酸、ごま油に含まれるリノール酸などです。

これらの成分は、脂肪を構成する脂肪酸の一種で、体内に入り私たちのからだに有益なはたらきをもたらしてくれると言われています。

植物由来の脂肪酸の期待できる効果について見てみましょう。

・オレイン酸・・・心疾患や生活習慣病の予防を促す

・リノール酸・・・血中コレステロールを下げてくれる働きがある

ごま油やオリーブ油は体に有益な効果が期待できる油です。

しかし、摂りすぎはカロリー過多になりますので1日大さじ2くらいを目安に使うようにしましょう。

また、油は酸化すると体に有害な物質を生産することがあります。

油を買ったら、涼しい冷暗所に保存し、キャップをしっかり閉めてなるべく早く使い切るようにしましょう。

●ビタミン

ビタミンは、私たちが健康な体を維持するための縁の下の力持ちとなってくれてます。

これまで取り上げた糖質、脂質、たんぱく質などのように直接的に私たちのエネルギー源になったり、体をつくる材料になるわけではありませんが、

それらがスムーズに行えるよう、機械の潤滑油のような働きをしてくれるのがビタミンです。

ビタミンはその性質から、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンとにわけられます。

脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂ることで体の中にとりこまれやすくなり、その後も肝臓などに蓄えられやすい性質を持っています。

水溶性ビタミンは、水に溶けやすく、体に取り込まれ血液に乗って全身を巡回した後、余ったものは体に蓄えられずに尿となって排出。

このことから、水溶性ビタミンは、一気にたくさんとるのではなく、こまめに補給するのが理想と言われています。

ビタミンA

水溶性ビタミンです。目や皮膚の粘膜を作ったり免疫力を高めるのをサポート。

野菜にはβカロテンという形で存在しますが、腸の中で吸収されてビタミンAの仲間になります。野菜ではにんじんに多く含まれます。

ビタミンB群

水溶性ビタミンで、ビタミンB1、B2、B12、葉酸、ナイアシンなどいろんな種類があります。

これらは主に糖質やたんぱく質、脂質などをエネルギーに変える代謝をサポートする補酵素としてはたらき、疲労回復したいときに摂ってほしい栄養素の一つでもあります。

ビタミンB1

糖質のエネルギー代謝を助けたり、皮膚や粘膜の健康維持や、脳神経系の正常な働きに役立っています。

植物性の食品でいうと、ビタミンB1は玄米ごはんや枝豆などに多く含まれます。

ビタミンB2

糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝を助け皮膚や粘膜の健康維持も助けます。

熱には強いですが水に流れやすいので野菜を洗ったり煮物をするときは洗う時間を短くしたり、スープにして汁ごと飲むなど調理に工夫をするといいでしょう。

納豆やほうれん草などに多く含まれています。

ビタミンB12

たんぱく質の代謝や赤血球合成を助けます。

ビタミンB12は植物性の食品で多く含まれるものは少なく、ほとんどが動物性由来のものに含まれますので菜食主義者は注意が必要です。

ビタミンB12は不足すると、貧血の原因になることもあります。

菜食主義者は最も不足しやすい栄誉素ともいわれるビタミンです。

植物性の食品には、しいたけ、のり、かいわれ、などに微量ながら含まれます。とくに意識して摂りましょう。

葉酸

名前の通り植物の葉に多く含まれるビタミンBの仲間です。

妊娠期には赤ちゃんの成長に積極的に摂ることが推奨されていますが、この葉酸は血液の成分になったり、代謝をサポートしたり、遺伝子やたんぱく質の代謝を促進する重要なビタミンです。

葉酸は、通常の食事では不足しやすい栄養素の一つなので意識的にとることをおすすめします。

ナイアシン

糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助けたり、皮膚の機能を維持するのに役立つビタミンです。

野菜にも含まれますが、とくにきのこ類に多く含まれています。

ビタミンC

水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性ビタミンです。健康な肌を作ったり、免疫力を高めるのをサポート。

最近はビタミンCがもつ抗酸化作用が注目され、動脈効果の予防やガン予防などに有効であると考えられています。

野菜や果物では、レモンやピーマンなどに多く含まれます。

ビタミンD

水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性ビタミンです。小腸でカルシウムやリンなどの吸収を促進。

骨粗しょう症予防にカルシウムを摂りたい方はビタミンDも一緒に摂ると効率がよいとされます。

植物由来のものだと、しめじやしいたねなどのきのこ類がビタミンDを多く含みます。

ビタミンE

水に溶けにくく油に溶けやすい脂溶性ビタミンです。

抗酸化作用があり、体の酸化を防いでくれます。

細胞膜を健康に保ったり、老化物質の予防や酸化物質に関連して引き起こす動脈硬化などの生活習慣病の予防に期待されているんですね。

アーモンドなどのナッツ類や植物油、アボカドなどに多く含まれます。

●ミネラル

ミネラルは無機質とも言われます。骨や血液の成分のひとつとなったり、私たちの体の中の反応を円滑にしてくれる働きがあります。

このようにミネラルは、私たちの体に不可欠な栄養素です。

しかし、ミネラルは体内で作られないものばかりなので、食べ物から摂る必要があります。

体に存在する主なミネラルを下記にまとめました。

カリウム

高血圧や脳卒中の予防などの効果が期待できます。高血圧の原因のナトリウムと拮抗的に働くのでカリウムを多く摂ることでナトリウムの排泄が促されます。

野菜や果物のほとんどに含まれますが、水に浸したり茹でたりすると流れていきやすいので注意しましょう。

カルシウム

体で最も多いミネラルで、骨や歯をつくる主要なミネラルです。骨はカルシウムの貯蔵庫といわれます。

骨も食べたカルシウムによって絶えず作り替えられています。日本人は不足しやすいミネラルですが、骨粗しょう症の予防には不可欠。

植物由来のものだと、海藻、大豆製品、緑黄色野菜などに多いです。

マグネシウム

骨を作るミネラルの一つです。血中に不足すると骨から溶け出て体をまわります。

神経の興奮を抑えたり、エネルギー代謝を助けたり、血圧を保ったりといった働きをします。

長く不足すると生活習慣病を引き起こす原因になったり…。

豆腐やアーモンド、野菜など、多くの植物由来の食品に含まれていますので、穀物や野菜などからしっかり食べて摂りいれることが大事です。

リン

カルシウムについで2番目に体の中に多いミネラルです。

そのほとんどが骨や歯の成分となっていますが、脳や筋肉など体全体の組織にも含まれエネルギー代謝に不可欠です。

リンは摂りすぎると骨などのカルシウムが減る原因に。

現代の日本人の食事では不足することはないので、積極的にとろうとしなくても大丈夫なミネラルといえます。

動物性食品に多いミネラルですが大豆などにも多く含まれており、加工食品の食品添加物にもよく利用されます。

赤血球を作るのに不可欠です。不足すると貧血を起こす原因となります。プルーン、ほうれん草や小松菜などに多く含まれます。

しかし、植物性由来の鉄は体に吸収されにくい形で存在します。

この吸収率を上げるためにはビタミンCを一緒に摂ることが大事です。

鉄は、女性にはとくに不足しがちのミネラルなので積極的に摂りましょう。

亜鉛

味覚を正常に保つの役割があり、不足すると味覚障害が引き起こされます。さらに、皮膚や粘膜を健康に保つはたらきがあり、細胞の合成などには亜鉛が必要。

亜鉛が不足していると傷の治りが遅かったりするので、亜鉛が多く含まれる、肉類や藻類を摂取しましょう。

ナトリウム

細胞のミネラルのバランスを保つのに役立ちます。摂りすぎると、高血圧の原因に。

塩や醤油に多く含まれます。日本人は摂りすぎる傾向にあるので、料理に使う調味料などを塩分の少ないものをつかったり旨味を加えて塩分を減らすなどの工夫しましょう。

成人の体には約80mgというわずかな量しか存在しない微量元素です。赤血球の構成成分の一つである鉄分を必要な場所に運ぶ働きをするのが銅です。

その他にも、体に有害な活性酸素を除いたり、骨を作るのを助けるはたらきがあります。

体の中に存在する銅は少量ですがとても重要な役割をもちます。

植物性の食品でいえば、大豆に多く含まれています。通常の食生活では不足しにくいミネラルです。

マンガン

成人の体内には約20mgしか含まれないと言われています。

骨の形成に関与したり、糖質や脂質の代謝の補酵素の役割、多くの種類の酵素の成分として成長や生殖に関わる栄養素です。

豆類やナッツ類、茶葉に多く含まれます。通常の食事で不足しにくい栄養素です。

 

ミネラルは、それぞれに体を維持するのに必要な役割があります。これらを含む食品をバランス良く食べ物を選ぶことが大切です。

さて、ここまで五大栄養素について簡単にお話ししましたが、体の健康を維持するためにこれらの栄養素が必要不可欠となります。

摂りすぎたり不足したりすると体のどこかにトラブルが起きたり、長期にわたると生活習慣病の原因になることがあるリスクも知っておいてください。

いろんな食品からいろんな調理法で調理し、バランスのとれた食事を心がけましょう。

菜食主義ではどんな栄養素がとりにくい?

菜食主義者でも、野菜や穀物、植物性の食品のさまざまな種類を組み合わせるだけでもほとんどの栄養素を補えます。

炭水化物は米、パン、いもなどから摂取でき、たんぱく質は大豆や大豆の加工品から摂取可能です。

大豆は、「畑の肉」のとも呼ばれるほど良質なたんぱく質を含みます。

脂質は、植物性の油などから摂取でき、ビタミン、ミネラルは野菜や果物から摂れます。

しかし、細かく見てみると、菜食主義者はビタミンの中でもビタミンB12は摂ることが難しいと言われています。

ビタミンB12は「赤いビタミン」とも呼ばれ、動物の赤みの肉などに多く含まれていますが、植物性の食品にはほとんど見られず菜食主義者には不足しがちです。

ビタミンB12は、赤血球をつくるのに必要であったり、神経の働きを正常に保つ働きがあり、私たちの体に必要な栄養素です。

不足すると悪性貧血や手足の痺れなどになることがあります。

植物性の食品には、しいたけ、のり、かいわれ、などに微量ながら含まれますので意識して摂取する必要があります。

 

また、たんぱく質もかなり意識して取らないと不足してしまいます。たんぱく質を摂るのに手っ取り早い動物性食品が食べられないからです。

植物性食品のなかでも良質なたんぱく質を補うポイントはアミノ酸スコアが高いものを食べることです。

たとえば、キヌア(アミノ酸スコア85)、そば粉(アミノ酸スコア90)、チアシード(アミノ酸スコア100)、大豆(アミノ酸スコア100)などがあります。

しかし、一度に食べられる量にも限界がありますよね。

植物性たんぱく質に限定して食品を選ぶ場合、アミノ酸スコアの植物性の食品を意識して積極的にとる必要があります。

チアシードなどのシード類は野菜サラダや料理のトッピングとしてもおすすめです。

このほかにも、鉄分、亜鉛、カルシウムは不足しがちな栄養素といわれますのでそれらを含む食材を摂るように意識するといいでしょう。

詳しく知ろう!菜食主義のメリットとデメリット

菜食主義は健康にいいイメージがある一方で、食べるものが偏ってしまうのではというイメージもあると思います。

菜食主義のメリットとデメリットについて詳しく知りましょう。

菜食主義のデメリット

・体力の低下

たんぱく質が不足しやすい観点から、体力の低下のリスクがあります。

とくにヴィーガンは、たんぱく質源を100%植物性から得るので、不足すると筋肉を作るたんぱく質が不足し、体力が低下したり疲れやすくなる可能性があります。

菜食主義になってから疲れやすくなったという方は、今まで以上にたんぱく質源を意識して食べ物を選択し、

適度な運動を合わせて行うことで体力も維持できるように心がけましょう。

・骨粗しょう症のリスク

菜食主義は骨のカルシウムなどが溶けて骨が弱くなりやすいと言われています。

骨が溶ける原因は、体の中のカルシウムが不足した時に起こります。しかし、これも注意することでリスクを減らすこともできるのです。

まず、カルシウム自体は野菜にも多く含まれており、その代表的なものが大根の葉や小松菜、春菊、菜の花などです。

しかし、動物由来のカルシウムと比べて、植物性由来のカルシウムは、腸に吸収されにくい性質があるので注意が必要。

さらに、シュウ酸というホウレンソウなどに含まれる成分が、カルシウムの体への吸収を阻害することもわかってきています。

これらのことから、菜食主義者の場合、カルシウムを摂っているつもりでも、思っている以上に体に吸収されていなかったという場合があります。

解消法としては、ビタミンDをふくむ食材を一緒に食べるようにすることです。

実は、ビタミンDも菜食主義者には不足しやすいという調査結果があるので、ビタミンDも意識して摂ってほしい栄養素になります。

ビタミンDは、きのこ類などに多くふくまれていますので、きのこの摂取も大切になります。

・コストがかかる

動物由来の食品である肉や魚を食べない菜食主義者は、それらを補うだけのたんぱく質源や栄養素を植物由来のものから摂る必要があります。

それだけの量を摂るにはかなりの量の大豆やその他の食物が必要になります。

農産物は、その年の気候や災害などにより採取量に大きく影響する場合があり、肉以上に年間を通して価格の変動が大きくなったり、必要なたんぱく質量に換算すると肉よりも多くの量が必要になることが多いので総額が高価になりがちです。

野菜売り場を見ていると、時期によっては安い時の倍以上もの値段がかかるときもありますよね。

・たんぱく質の吸収率が低い

動物由来の肉を食べなくなると栄養素的にはたんぱく質の摂取源を植物由来のものに変えることが必要です。

しかし、植物由来のたんぱく質は動物由来のたんぱく質より体の中で使われにくく、たんぱく質を摂りたい人にとっては体内で活用されるまでの効率が悪いです。

そんな場合、食べ物の組み合わせ工夫のひとつとしては、ビタミンB6やビタミンCを一緒に摂ることがポイントです。

これらにより、植物性食品から体へ吸収されたたんぱく質が使われやすくなり、エネルギーの産生や筋肉を作るなどの代謝を促進できます。

・鉄分の吸収率が低い

鉄分は植物由来のものは動物由来のものより吸収率が低いと言われています。

これも動物由来の食品と植物由来の食品との違いによるもので、植物由来のものは体に吸収しにくい形をした鉄分を含みます。

この吸収率をあげることのできる成分はビタミンCです。組み合わせを工夫して食べた栄養素が少しでも効率よく使われるように心がけましょう。

・フィチン酸・シュウ酸を含む野菜に注意!

ホウレンソウなどの野菜にはフィチン酸やシュウ酸というアクやえぐみの成分がふくまれています。

これは、体内で鉄などのミネラルの吸収を阻害する成分といわれています。

とくに、鉄分を撮りたい人にはシュウ酸の摂取は控えたほうがよいでしょう。

フィチン酸やシュウ酸は茹でたりすると流されて食品の外に出ていくといわれているので、ほうれん草などは茹でて下処理することをおすすめします。

菜食主義者の摂る鉄分は吸収率が悪い形の鉄分といわれていますので、とくに貧血になりやすい女性はシュウ酸をとらないように下処理に注意してほしいです。

菜食主義のメリット

・ダイエット効果

菜食主義での食事は動物性の食品を食べる場合と比べて、カロリーがとても低い傾向にあります。

肉には脂質が多く含まれる部位が多いので、たんぱく質と同時に多くのカロリーを摂取することになります。

一方で、野菜や穀物には肉ほどの脂質が含まれていません。

食物由来の食べ物はカロリーや低いうえ、食物繊維が豊富なものも多く、ビタミンやミネラルが豊富なものが多いです。

このように、菜食主義者の食事内容自体が余分な脂質やたんぱく質を摂りにくいものとなり、肉を食べるよりずっとカロリーを抑えられるためダイエット効果があります。

動物性のものより植物性の食品のほうが食物繊維が豊富なので腸内環境の改善に役立ち、デトックス効果も期待できます。

・消化時への体の負担が減る

消化にかかる時間をご存じでしょうか?

 

・果物       ・・・約40分

・ごはん(炭水化物)・・・約8時間

・野菜       ・・・約2時間

・肉        ・・・約12~24時間

 

上記のように食べるもので消化にかかる時間は大きく異なります。

肉ではとくに、脂質が多いほど消化に時間がかかります。

時間がかかるほど、体の中では消化するための酵素をだしたり、栄養素を運んだりエネルギーを使うことになるので無意識のうちに体に負担がかかることに。

菜食主義者は肉を食べない分、肉を食べる人たちと比べて、消化時の体の負担は少ないと考えられます。

・病気のリスクの軽減

肉を食べすぎる生活が長く続くと、脂質やエネルギーなどの摂りすぎで脂質異常症やメタボリックシンドローム、糖尿病などの生活習慣病になりやすくなります。

これらの生活習慣病は、さらに怖い病気の引き金になるリスクがとても高くなり、菜食主義でなくても適量を守った食事をここと掛ける必要があります。

しかし、菜食主義は、3大栄養素の中で最もカロリーの高い脂質を含む食材を摂りにくく、肉と比べて低カロリーなものを食するためそれらの生活習慣病のリスクが低いと考えられます。

 

まとめ

栄養素にはそれぞれ重要な役割があり、不足しても摂りすぎても体の不調につながることがあることを知っておくことが大切です。

菜食主義はかたよった食事のイメージでしたが、栄養バランスをしっかり考えれば健康的な生活が送れます。

不足しがちな栄養素をしっかり補うことで、人の体の健康維持に必要な栄養素はしっかり補うことは可能です。

食べ物からの摂取が基本ですが、どうしても必要量が食事から摂れない場合はサプリメントの活用も視野に入れ、

そうすることで病気のリスクを回避できるのであればいいことだと考えます。

栄養バランスを考えた食事を心がけ、よりよい食生活につなげていきましょう。