今、あなたの歯は何本ありますか?
歯は食べ物をすり潰したり噛み切ったりするのに欠かせないものです。
歯のメンテナンスを怠ると、大切な歯がなくなってしまう恐れがあります。
今回は歯の大切さやどうやって守っていくかなどの知識を簡単に紹介します。
歯の役割と体へのメリット
まず、歯にはどんな役割があるのでしょう?
食べ物を噛むときに必要ですが、なぜ噛む必要があるのでしょうか?
それは、しっかり細かく歯で食べ物を小さく柔らかくすることで、消化吸収を助けることにつながるからです。
そうすることで、食べ物が口から流れる先にある消化管にかかる負担も減らすことに繋がります。
細かく噛んで消化されやすい形になることで、食べ物に含まれる栄養素が体に取り込まれやすくなります。
さらに、歯があることでしっかり顎を動かして食べ物を噛めるので、脳に血液が回りやすくなるメリットも。
一回しっかり噛むことで、3ccの血液が脳に届くと言われています。
このように、歯があることは私たちが生きていく上で必要な食を支えてくれているのです。
歯には寿命がある?!
歯を失う2大原因は、虫歯と歯周病です。
だいたい30代までの若い方は虫歯で歯を失う人が多く、40代をすぎると歯周病によって歯を失う人が多くなってきます。
平均的な歯の寿命は奥歯が40年、前歯は60年が目安です。
奥歯は磨きにくく、噛んだりするときのダメージが加わりやすい場所なのでだいたいは奥歯から抜けていくケースが多いようです。
もちろん一生抜けない歯もありますし、個人差もあります。
人によっては80歳になっても入れ歯も無く、自分の歯で食べ物を食べている人もいます。
日本では8020運動が行われている
歯科予防の世界的な先進国は北欧のスウェーデンと言われています。
80歳の歯の平均残存率は、スウェーデンが20本に比べて、日本はなんと9本。
日本は、8020運動という健康促進運動を掲げています。→https://www.jda.or.jp/enlightenment/8020/
これは、80歳になっても歯を20本以上残し健康寿命を延ばしましょうという内容の運動で、
『歯を残すことで、食べ物を美味しく食べられ健康寿命にもつながる』という考えが基本になっています。
しかし、実際はまだまだ目標を達成している人は日本人には少ないようです。
では、80歳でも歯を平均20本も残している人が多いスウェーデンと、その半分以下である日本の歯科の違いは何でしょう?
日本と海外の歯に対する意識の違い
歯のメンテナンスという言葉を聞いたことありますか?
これは、歯医者は痛くなって通うところではなく、痛くなるのを予防するのが大切であり、そのために歯医者に通うという考え方です。
北欧の人々は、ほとんどの人が予防を目的に歯医者さんに通っているようです。
歯のメンテナンスの受診率は、スウェーデンが90%に比べて、日本は5%。
これをみてもわかるように、圧倒的にスウェーデンの人々はメンテナンスとして歯医者に通う人が多く、歯の残存率からも結果が見て取れます。
日本では、医療保険制度が充実しておりますが、海外では病気などになれば治療にかかる負担金は基本的にはすべて自己負担。
このような背景もあって、海外では大きな事態になる前に予防をする「予防医学」の考え方が日本より根付いていると伺えます。(歯科における「予防歯科」はとくに北欧のスウェーデンが先駆者となっている)
逆に言えば、日本は医療保険制度が充実していることで、負担する金額が小さいため虫歯になってから歯医者へ行く方が多いのです。
そのため日本では虫歯に対する予防意識が低く、8020運動がなかなか浸透していないと考えられます。
家でのメンテナンスは何が必要?
歯医者さんでのメンテナンスと合わせて日常生活で口のケアは意識して行いましょう。
基本的には歯磨き習慣が大事です。
歯磨きのタイミングとして基本的には、朝起きてから、毎回食べた後、寝る前に磨くようにしましょう。
さらにいうと、一本の歯ブラシだけでなく、口の中をきれいにするために必要に応じて舌ブラシやフロス、洗口液、毛先の細いブラシなどを使いましょう。
どれを選択すべきかは、歯並びや虫歯や歯周病の度合い、口の中の状況によりますので、まずは歯医者さんに行ってアドバイスを受けるのがよいでしょう。
まとめ
歯を守るためには、まずは歯医者さんの検診を受けましょう。
そこでご自身の口のなかの現状を知り、歯科医師や歯科衛生士さんなどのプロの方から的確なアドバイスを受けましょう。
そして、予防を目的に歯科に通い、歯と健康を維持していけるよう取り組んでいくのがいいです。
歯医者さんとご自身の高い意識によって歯の健康が守られ、それが健康寿命を延ばすことにつながるのです。
80歳までにご自身の歯を20本残せるよう、がんばりましょう。