夜眠れない。

朝起きられない。

昼ボーっとしてしまう。

昼夜逆転してしまって、しばらく朝の光を見ていない…

早く職場に復帰したいのに、何もできないまま日々を過ごしている…

生活リズムがくるってしまってなかなか戻せない‥

そんなふうに気持ちばかり焦って、なんとなくこの記事にたどり着いた貴方へ。

就労移行の支援員として働く私が、

利用者さんと接したり精神科医師から聞いたり、

学んだりする中で得た知識を、少しお伝えしたいなと思います。

焦ることをやめて、少しでもホッとしてもらえたらうれしいです。

そもそも正しい生活リズムとは?

「体内時計」という言葉を聞いたことはありますか?

自然に朝になれば目を覚まし、夜になれば眠くなる。

朝・昼・夕の同じ時刻になるとおなかが空く。

当たり前のようにみえるこのリズムは、

私たちがもつ「時計遺伝子」が作り出しているリズムなんだそうです。

この時計遺伝子、人間の体を構成するすべての臓器、60兆個のすべての細胞にあって、24時間リズム、1年リズム…

といった体内リズムを支配している、というのですから驚きですよね。

「遺伝子」というのは、生物としての人間が長い年月をかけて体内に獲得した情報です。

言ってみれば、人間がこの世界で生き抜くための「知恵」の宝庫。

規則正しい生活を送り、時計遺伝子の作り出すリズム(=体内時計)を規則正しく動かすことができていれば、健康で生き生きした毎日を過ごすことができ、

逆に生活リズムが乱れ、体内時計とずれてくると、それぞれの臓器の働きは本調子ではなくなってしまう…

なんとなく想像できるのではないでしょうか。

「生活リズムが乱れている」「生活リズムを戻したい」などと、

普段何気なく使っている「生活リズム」というこの言葉。

この体内時計に沿って生活するリズムのことだったんですね。

精神疾患と生活リズムの関係

生活リズムが崩れ、体内時計とずれた生活が続くと、

心身共に不調になるということは、なんとなくご理解いただけましたよね。

実際に、夜型の生活や昼夜逆転した生活が続くと、

脳内の分泌系に異常が起こり、自律神経の乱れや精神異常を起こす場合があるとのこと。

そうしたところから、うつなどの精神疾患を引き起こすきっかけの1つになってしまうということもあるそうです。

では、逆にうつや統合失調症など、精神疾患にかかっている方の場合はどうでしょうか。

まず、精神疾患それぞれが持つ病気の特徴により生活リズムが乱れやすい、ということがあります。

うつ病、非定型うつ、統合失調症の場合を例にしてみますね。

うつ病の場合

症状の1つとして「睡眠障害」があり、夜なかなか眠れない、日中は「活動性の低下」という症状によりゴロゴロ過ごすことが多くなるなどして、生活リズムが乱れがちになることが良くあります。

<非定型うつの場合>、主症状の1つに「過眠」があったり、服薬の効果が出にくいといった病気の特徴から、長期間にわたって生活リズムが乱れる、ということがあるそうです。

統合失調症の場合

統合失調の場合は、時期によってさまざまな理由から生活リズムの乱れを引き起こします。

例えば統合失調症でもうつ症状が出ることがあり、

そのうつ症状により生活リズムが乱れるということがあります。

また、陰性症状では持続的な意欲の低下や感情の鈍化が出るために、

周囲への関心や意欲が低下しているため生活リズムが乱れるということもあります。

急性期には、幻聴や妄想にとらわれ睡眠も妨害されるため生活リズムが乱れます。

治療で用いる薬によって眠気や頭がぼんやりするなどの副作用が出て、

生活リズムが乱れることもあります。

精神疾患の治療中に生活リズムの乱れを自覚すると、

早く治さなければと焦る気持ちが出てくることもあるかもしれませんね。

でも、一言で「生活リズムが崩れる」と言っても、

上述のようにいろんな理由が隠れています。

治さなくてはと焦る前に、自分の生活リズムの乱れがどんな理由によるものなのか考えてみましょう。

生活リズムを改善するには?

では、生活リズムの乱れを改善する方法を見ていきましょう。

ポイントはずばり、朝の過ごし方にあります。

人間の持っている体内時計の1日のリズムは、実は24~25時間で地球の24時間に対してずれがあるそうです。

どこかで調整しないと、どんどんずれていってしまいます。

このズレを毎日リセットしているのが朝の太陽の光といわれています。

睡眠障害があったり昼夜逆転していてどんなに夜寝ていなくても、

5時~7時の間に一度は無理してでも起き、布団から出て、太陽の光を浴び、

外の空気を吸うことがとにかく大事です。

余力があれば5分でもストレッチしたり、ラジオ体操をしたり、ヨガやウォーキングなどのちょっとした運動を取り入れるとより効果があります。

そして、パン一切れでも朝食を食べること。

朝食をとった後疲れてまた寝ることになっても、

結果的に一日寝ることになってもOK。

とにかく朝、体内時計をリセットするということが大事。

これだけならなんとか取り入れられそうですよね。

そして、少しづつ生活リズムの乱れが改善され、

いよいよ復職を意識するようになったら、

どこかに通うということをお勧めします。本格的なリワーク施設などもあります。

でも、まずは作業所でも病院のデイケアでも、図書館でもいいと思います。

決まった場所に決まった時間通うことで、

生活リズムを固定化し安定させることができます。

通うという行為で、職場に通う練習にもなり一石二鳥ですね。

まとめ

  • 体内時計のリズムにあった生活リズムを送ることが人間にとって理想的
  • 体内時計とずれた生活リズムが続くことで精神疾患の一因となる場合がある
  • 逆に精神疾患それぞれが持つ病気の特徴により生活リズムが乱れることもある
  • 生活リズムの乱れを改善するには、とにかく朝の太陽を浴びることが大事
  • 生活リズムが改善し復職を意識する時期が来たら、どこかに通う方法もお勧め

焦る気持ちはわかりますが、まずは自分がどの段階にあるのかを知り、

症状に合わせてできるところから試していただけたらなと思います。