いじめを苦にした自殺、いじめに対する学校や教育委員会の対応への不信感などがメディアでたびたび話題になりますね。
でも残念ながら、いじめは子供の世界の話だけではないようです。
働いている大人は一日の大半を職場で過ごすわけですから、職場でいじめられるのは本当につらいですよね。
またいじめを受けるのか…と思うと、明日会社に行くのが今から憂鬱…というあなたに。
いじめる側(=いじめっ子)の心理を分析し、対処方法を考えてみたいと思います。
ジャイアンがのび太をいじめる理由
ジャイアン。説明不要ですよね。
「ことわったらぶんなぐる!!」
「逆らうものは死刑!」
「ギタギタのメロメロのボロボロにしてやる!」
「お前のものはおれのもの、おれのものはおれのもの」
…『ジャイアニズム』という言葉まで生んだ、
こども界のいじめっこ代表格といっても過言ではないのではないでしょうか?
そんなジャイアンにいつもいじめられているのがのび太。
ジャイアンはなぜのび太をいじめるのでしょう??
いじめる側の心理を分析するために、誰もが知っているジャイアンの心理を一緒にみてみたいと思います。
<ジャイアンの心理① 認めてほしい人に認めてもらえない悲しみや不安>
「この町で俺にかなうものはいない。俺は王様だ!」
などと外では豪語しているジャイアンですが、
家に帰れば母ちゃんに追い回され、父ちゃんにげんこつで殴られ…という具合によく怒られています。
そんな両親に対して、ジャイアンはどのような思いを抱いているでしょう。
「いつも頭ごなしに怒ってばっかり!」
「もっと話を聞いてほしい」と言いたいのに、
その気持ちをぶつけても真剣に取り合ってもらえない、お店が忙しいからと遠慮して言わないでいる…
などとあきらめの気持ちが生じるとどうなるか。
一番わかってほしい両親にぶつけられない怒りや悲しみ、不安を、
自分より弱い子に向け、気持ちの憂さを晴らして楽になりたい、
と思うようなこともあるのかもしれません。
<ジャイアンの心理② 「弱い自分」へのいら立ち>
また、自分にいじめられてびくびくしているのび太の姿に、
親に怒鳴られてびくびくしている自分、殴られないかおどおどしている自分を重ねてみているとしたら…
目の前ののび太の姿を見てその弱さを馬鹿にしたり、
「俺が根性を叩き直してやる!」
と矯正に走ろうとしたりするかもしれません。
また、のび太を通して自分の弱さを目の当たりにすることで、
「俺はこんなに弱くない!」といったいら立ちが沸き上がり、
さらにいじめてしまうということが起こる、ということも考えられます。
のび太がジャイアンにいじめられつづけても平気な理由
では、今度はいじめられる側を見てみます。
のび太はいつもジャイアンにいじめられていますよね。
なぜ、いつもジャイアンにいじめられていても平気でいられるのでしょうか。
もちろん、毎回「ドラえもーん」…と泣きついているわけですから「平気」ではないのでしょうが、
毎度のいじめに屈せず、基本的には卑屈な感じではなく明るい日々を過ごしていますよね。
今日いじめられても、翌日はジャイアンともいつも通り接することができているように見えます。
どうしてでしょうか?
<いじめられ続けても平気な理由① そばに味方がいる>
個人的な見解ですが、のび太がジャイアンにいじめられ続けても平気な理由その①は、絶対的な味方であるドラえもんがそばにいるから、ではないかと思います。
いじめられるたびにのび太はドラえもんに泣きつくわけですが、
そのたびにドラえもんは道具を出してくれます。
ドラえもんの出してくれた道具により問題は解決しますが、
それによっていじめられたことによるマイナス感情を解消できるわけです。
いつもいじめられていても卑屈にならずに済んでいるのは、
そういったいじめられたことによるマイナス感情やストレスを溜めずに済んでいるからではないかなと思います。
またいじめられてもドラえもんが助けてくれる、と安心できていることもきっと大きいですよね。
<いじめられ続けても平気な理由② 安心できる家庭があり自己肯定感が高い>
いじめられ続けても平気な理由その②は、心から安心できる場所だと思える家庭があることではないでしょうか。
のび太は、4年生の今でこそテストの点数や宿題をやっていないことでママに怒られることはありますが、
基本的には両親の確かな愛情を感じながら、穏やかに育ってきているように見受けられます。
そこがいじめっ子ジャイアンとの決定的な違いじゃないかと思うのですが、
やはり家庭環境は大きいです。
殴られることを心配したり怒られることにびくびくすることなく、
肯定されて育ってきたことで、自己肯定感の高い健全な人格をのび太は持ち合わせているのではないかと思います。
自己肯定感の高い人は、自分に自信を持てているので基本的に強いです。
いじめになど屈しません。
ジャイアンに屈しないための5つの対処法
ジャイアンを通していじめる側の心理を見てきました。
のび太のようにあなたがジャイアンのいじめに屈せず、明るい毎日を過ごせるために。
いじめられても平気なのび太を参考にしながら、対処法をまとめてみたいと思います。
<職場のいじめに屈しないための対処法>
無視する、相手にしない
いじめの原因が自分にないこと、あなた自身が何も悪いことをしていないことを確認したうえでですが、
相手が嫌がらせしてきても「相手にしない」、「無視する」ということが有効です。
ジャイアンは、自分の中で正しく処理できない感情を、自分より弱い者に向けることによって憂さ晴らしがしたいのです。
また、いじめられることに対してびくびくしたりおどおどしている弱い者を馬鹿にすることで、自分が優位に立ちたいのです。
相手が思惑通りの反応することを楽しんでいるともいえるかもしれません。
嫌がらせに対してあなたが毅然とした態度で無視したり、相手にしなかったらどうなるでしょうか。
手ごたえが感じられないことであなたへの興味を失い、もっと弱そうなターゲットを求めて去っていきます。
味方を作る
助けてくれそうな人を見つけて相談しましょう。
ひとりの努力では太刀打ちできないこともあります。
ひとりで抱え込まないようにするためにも、職場内の誰かの耳に入れることも大切です。
自分より立場の上の人や年上の人に相談できるとなお心強いですね。
のび太が、ドラえもんがそばにいることで、いじめに屈せず明るく日々を過ごすことができたように、
あなたにも味方を作ることで心理的な安心を得ることができるのではないでしょうか。
他の人がいる場面で意思表示をする
職場だとどうしても空気を気にして、
仕事以外のことはなるべく話さない方が良い、
私情を持ち込んではいけない、などと自制心が働いてしまいそうですが、
いじめに関しては、しっかり嫌だ、やめてほしいという意思表示を
した方が良いと思います。
いじめる側に、やりにくい相手だと思わせる1つのきっかけになりますし、
第三者のいる場所で意思表示することにより、
味方を増やすことができるかもしれません。
相談機関に相談する
いじめが長期にわたって続く場合や、
社内の人に相談しても進展がないような場合には、
社外の相談機関に相談することも1つの方法となるでしょう。
冒頭でも触れたようにいじめは社会問題となりつつあるので、
公共機関や弁護士の無料相談などでいじめの相談を受け付けてくれるところが増えているようです。
自分を守るために、使えるものは積極的に利用しましょう。
転職を選択肢の一つにする
上述の対処により、いじめが解消すればよいですが、人間関係ですのでなかなかすぐには問題が解決しない場合も考えられます。
いじめが長期化することで精神的な負荷がかかるようであれば、
転職することで人間関係を解消するというのも1つの手段として有効です。
本来の自分の能力を出すためにも、この環境が最適なのかを考え、
転職を1つの選択肢として持つことは決して後ろ向きな手段ではないと思います。
まとめ
ジャイアンがのび太をいじめる心理には、
- 認めてほしい人に認めてもらえない哀しさや不安
- 弱い自分に対するいら立ち
の2つがあるのではないか、ということを見てきました。
これは子供の世界でなく、大人の世界である職場のいじめにおいても同じことが言えそうです。
まずはいじめる側の心理を知り、それを踏まえた対処をしてみてくださいね。
つらい毎日が、少しでも過ごしやすい日々に変わることを祈っています。