みなさんマレーバクという動物を見たことありますか?
白黒のコントラストと、長い鼻、つぶらな瞳。
ブサカワで癒し系ですよね。
でも、この白黒の模様、赤ちゃんの時は大人と違うって知ってました!?
また、親の配色にもバクなりのかしこい秘密があるんです!
この他にもバクには知られざる魅力がいっぱい!
「動物園で見かけて気になる!」「もっとバクのことを知りたい!」
そんな方へ、学生時代マレーバクの研究もしたことがある私が、バクの生態や魅力などについてなるべく分かりやすく紹介していきます(^o^)
マレーバクの生態
マレーバク(英名:Malayan tapir、学名はTapirus indicus)はタイやマレー半島、ミャンマー、インドネシアのスマトラ島など東南アジアの熱帯雨林に生息しています。
奇蹄目(ウマ目)バク科に分類され、サイやウマと近い動物なんですよー!
分類どおり前足に4本、後ろ足に3本の奇数の蹄(ひづめ)があります。
実は学生の時実習でマレーバクのお世話をしたことがあるのですが、そのときに足の裏の肉球を触らせてもらったんです!
意外にフニフニでやわらかくて気持ちよかった…(*´з`)♡
マレーバクの体長は2.2~2.5m、体重250~350kgと身近なものでいうと…コンパクトカーくらいかな?けっこう大きいんです!!
マレーバクは木の葉や枝、果実などを食べる草食です。
バクは果実を丸のみすることがあるので、中の種を傷つけずに排泄することができます。
その後、果実は落ちたところで芽を出して育っていくことができるので、自然界でバクは「種子散布者」というとても大切な役割を果たしているんです(#^.^#)
また、彼らは水辺を好み、泳ぎが得意♪
野生では潜水して天敵のトラやヒョウなどから身を守ることもできるんです!
あと、鳴き声もかわいいのでそちらの動画載せておきますね↓
マレーバクの仲間たち
実は、バクにはマレーバク含め4種類(2014年頃新種のTapirus kabomaniが見つかって5種類(゜o゜)⁉)の仲間がいるんです。
マレーバクはこの中で1番大きくて模様も派手め、唯一アジア圏内に住んでいる種類です。
では、ほかの仲間について簡単に紹介していきますね。
・アメリカバク(ブラジルバク)

【画像:https://www.zooing.net/archives/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%90%E3%82%AF 】
中央アメリカと南アメリカの草原や森林に生息しています。
体長は200~250cm、体重227~363kg。地味目な茶褐色ですが、背中から頭にかけてある「たてがみ」が特徴的です。
・ベアードバク

【画像:https://www.konicaminolta.jp/kids/animals/library/field/bairds-tapir.html 】
中央アメリカ南部の森林に生息しています。
体長は195~250cm、体重150~300kg。全身は暗褐色で口から胸元は白っぽい淡い色です。高地に住んでいる個体はけっこう毛深くなります。
・ヤマバク

【画像:https://www.konicaminolta.jp/kids/animals/library/field/mountain-tapir.html 】
南米の山岳森林地帯に生息しています。
体長は180cmほど、体重225-250kgとバクの中で1番小柄。暗褐色で毛深いです。
日本国内の動物園では見ることのできないバクです。
バク4種の共通点は草食、蹄の数、水辺が好き、ずんどうな体つきに短いしっぽ。
あと、特徴的なあの鼻は上唇と鼻が一体化したもので、筋肉でできているので自由自在に動かせます。
あの鼻でゾウのように草を集めて食べたりできるんですよね!(^^)!
そして残念なことにすべての種が絶滅の危機に瀕しています。
主な原因はバクたちが住んでいる森林の伐採(減少)です。。
私は実際マレーシアの森林に行ったことがあるのですが、そこでも伐採は深刻な問題となっていました。
人間の生活が豊かになっていく一方で、元からそこにいた動物たちは被害を受け苦しんでいることも、どうか知っていただきたいです。
これら4種のバクの保護や自然環境保全について知ってもらうために設立されたのが4月27日の「世界バクの日(World Tapir Day)」。
バクを展示している動物園では、この日付近にイベントを行う園もあるので、ぜひチェックしてみてください!
ちなみに先ほど紹介した新種発見の記事はコチラ↓
マレーバクの赤ちゃんの白黒色と模様の秘密とは?

マレーバクの赤ちゃんはおとなとまったく異なる模様をしています。
イノシシのウリ坊が近いですかね?色も少しこげ茶っぽいんですよ!
この模様は野生では、森林の中で天敵から身を守るためのものといわれています。
おとなの白黒の配色も森の中では天敵から見つかりにくいようですが、赤ちゃんのこの「迷彩柄」とも「まだら」とも、何とも言えない不思議な模様の方がもっと草木の中にとけこんでみえるようです。
しかし、この模様も生後2ヶ月で少しぼやけてきて生後6か月ほどで消えてしまい、おとなと同じ配色になってきます。
赤ちゃんの本当に短い期間だけしか見ることのできない模様、動物園で赤ちゃんが生まれた情報を知ったらぜひ見に行ってみてください( *´艸`)
この赤ちゃんの模様は4種のバクに共通ですので、マレーバクだけでなくベアードとアメリカバクも赤ちゃん情報は要チェックですね!
ちなみに2017年の10月に多摩動物園でマレーバクの赤ちゃんが生まれたようです☆
もう模様はなくなってしまってるかもしれませんが…お近くに住んでる方はぜひ見に行ってみてくださいね!
マレーバクと出会える関東の動物園
関東の動物園てたくさんあるのですが、その中でマレーバクに会える園とそちらのURLを掲載しておきますね。
・多摩動物園(東京)
URL:http://www.tokyo-zoo.net/zoo/tama/
・よこはま動物園ズーラシア(神奈川)
URL:http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/
・横浜市繁殖センター
URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/dousyoku/center/
※こちらは普段一般公開をしていません。不定期で一般公開もしています。
・東武動物公園(埼玉)
URL:http://www.tobuzoo.com/zoo/
まとめ
- マレーバクは東南アジアの森に生息する草食動物。
- ずんどうな体の割に泳ぎが得意で、肉球はプニプニのギャップがいい!
- バクはマレーバクを含め、アメリカバク、ベアードバク、ヤマバクの4種(新種が加われば5種)。
- バクは全種が絶滅危惧種、「世界バクの日(4月27日)」に保護や保全について考えてみて。
- 親の配色と赤ちゃんの模様は自然界で天敵から身を守るためのもの。
- マレーバクに会える関東の動物園は、多摩動物園、ズーラシア、東武動物公園。
これでマレーバクについての基礎知識はOK!
今まで何となく見ていたバクたちとまた動物園で会った時には、また違う目線で見ることができるでしょう。